【ソウル聯合ニュース】北朝鮮メディアは1日、米朝首脳が前日にベトナム・ハノイで会談し、双方は次の会談を約束し生産的な対話を続けることにしたと伝えた。2日間の日程で開催された会談は合意文書の署名に至らなかったが、北朝鮮メディアは会談決裂に言及していない。
会談2日目、拡大会合で深刻な表情を見せるトランプ米大統領(左手前から2人目)と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長、右手前から2人目)=28日、ハノイ(AFP=聯合ニュース)
朝鮮中央通信は、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)とトランプ米大統領が前日にハノイ市内のホテルで1対1の会談と拡大会合を行ったとしながら、「両国間で数十年間続いた不信と敵対の関係を根本から転換していく上で重大な意義を持つということで認識が一致した」と伝えた。
同通信は、首脳会談で双方は初の米朝首脳会談で発表したシンガポール共同声明の履行に向け大きな進展があったことを高く評価した後、これを土台に米朝関係改善の新たな時代を切り開くための実践的な問題などに対し建設的に、虚心坦懐(たんかい)な意見交換をしたと紹介。さらに、「朝米(米朝)関係の新たな歴史を開いていく旅程でやむを得ない難関と曲折があるが、互いに固く手を結び知恵と忍耐を発揮してともに進めば、朝米関係を画期的に発展させることができるという確信を表明した」と伝えた。そのために「生産的な対話などを引き続き行っていくことにした」と付け加えた。
また、金委員長がトランプ氏の努力に感謝の意を述べた後、「新たな再会を約束し、別れのあいさつを交わした」と伝えた。
実際にトランプ氏は「引き続き努力していく」、ポンペオ米国務長官は「この先数週間のうちに合意に至ることを望む」と発言している。
朝鮮労働党機関紙の労働新聞も、朝鮮中央通信と同じ内容の記事を13枚の写真と共に1~2面に掲載した。写真の中の金委員長はトランプ氏と握手を交わし、明るく笑いながら話を交わしている。
北朝鮮メディアが会談決裂に触れなかったのは、金委員長が平壌を出発する時点から北朝鮮住民に会談開催のニュースを伝えていたにもかかわらず、成果がなかったとなれば金委員長の権威を損ないかねないことを意識してのこととみられる。
また、報道では米国に対する批判がなかった。米国と対話を続ける意向をほのめかしたとも解釈できる。
会談終了後、トランプ氏は現地で記者会見を行った。その後、北朝鮮は深夜に李容浩(リ・ヨンホ)外相と崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官が記者会見を開き、トランプ氏の説明とは異なり、北朝鮮は全面的な制裁解除ではなく一部解除を求めたと反論した。北朝鮮メディアはその両方の会見に全く言及しなかった。
1日未明(現地時間)にハノイで記者会見を開いた李外相(右)と崔次官=1日、ソウル(聯合ニュース)
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