【ソウル聯合ニュース】韓国と米国は10日にソウルの外交部庁舎で、北朝鮮制裁問題などを調整する作業部会(ワーキンググループ)の会合を開いた。北朝鮮核問題を巡る交渉の韓国首席代表を務める外交部の李度勲(イ・ドフン)朝鮮半島平和交渉本部長と米国首席代表である国務省のビーガン北朝鮮担当特別代表をはじめ、両国関係者が出席。北朝鮮が4日に続き9日も飛翔体を発射したことを受け、その背景を分析した上で今後の対応の方向性を協議したとされる。
ビーガン氏(左)は作業部会の会合前、康京和外交部長官と会談した=10日、ソウル(聯合ニュース)
韓米双方は北朝鮮の飛翔体発射が朝鮮半島の平和と安定を阻害する「深刻な懸念」との認識を共有し、北朝鮮を非核化交渉の場に引き戻すための方策を話し合ったとみられる。
当初、この日の会合では韓国政府による北朝鮮への食糧支援問題を集中的に議論すると予想されていた。ところが北朝鮮が前日にミサイルとみられる飛翔体2発を発射したことで国内外の世論が悪化し、食糧支援に関する踏み込んだ協議は難しかったようだ。
ビーガン氏と李氏が会合結果を説明する予定だった略式の記者会見は、米側の要請で取りやめた。外交筋は「米国がメッセージ発信に慎重を期しているようだ」との見方を示した。
また、ビーガン氏は会合に先立ち、康京和(カン・ギョンファ)外交部長官と会談した。両氏は笑みを浮かべてあいさつを交わしたが、カメラの前で握手した際の表情は硬かった。公開予定だった会談の冒頭発言は、非公開とすることが会談30分前に急きょ決まった。ビーガン氏は外交部庁舎に到着した際も、飛翔体発射に関する報道陣の質問には答えなかった。
同氏は午後、青瓦台(大統領府)を訪ね、鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長(閣僚級)や金鉉宗(キム・ヒョンジョン)国家安保室第2次長に会うとみられる。統一部の金錬鉄(キム・ヨンチョル)長官とも会談する計画。
ビーガン氏の来韓は、物別れに終わった2月末の米朝首脳会談後では初めて。今月8日に韓国入りした。11日に帰国予定。
mgk1202@yna.co.kr