【ソウル聯合ニュース】韓国で次世代通信規格「5G」と人工知能(AI)を活用した救急医療システムの開発がすすめられ、2021年の導入を目指し231億ウォン(約21億1500万円)が投じられる。
科学技術情報通信部と情報通信産業振興院は3日、ソウル・セブランス病院で「AI基盤救急医療システム開発事業団」の発足式を開催した。
セブランス病院などを運営する延世大医療院が主管するコンソーシアム(共同事業体)には峨山病院、亜洲大病院など六つの医療機関、KT、カカオモビリティー、ビットコンピューターなど情報通信技術(ICT)関連の10企業、ソウル大や電子通信研究所など4機関が参加する。
同事業は救急患者の搬送時間を最大限減らして生存や完治の可能性を高めるとともに、患者の状態に最適な診断・処置を提供する事業だ。
5Gを使い現場の心電図・血圧・脈拍などのデータや、声・大容量医療映像などのデータを超高速・リアルタイムで伝送するシステムを構築する。
転送されたデータを基に患者の症状を把握しながら、周辺の救急センターの状況を分析して、どの病院が最適かを自動で選定するシステムを開発する一方、救急車用ナビゲーションも作り、搬送時間を短縮する計画だ。
またAIの分析により、症状や緊急性に応じて対応が可能なシステムを開発する予定だ。
まず心血管疾患、脳血管疾患、重度の外傷、心停止の4大救急疾患を対象に、通報受付、応急処置、搬送、救命センターでの治療など各段階に合わせて開発される。
データを効果的に活用するため、現在の国家応急診療情報網(NEDIS)や消防庁、救命センターなどに分散している医療データを、5Gを使って統合、分析し、AIが利用できるようクラウド化する構築する計画だ。
2021年には救急隊と救急医療センターに「AI基盤救急医療システム」を導入し、テストを経た後、各地域の消防本部や医療機関などに拡大、普及させる予定だ。
同事業は科学技術情報通信部と保健福祉部、行政安全部、消防庁の4官庁が開発から実証まで連携して進行する。
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