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韓日関係

<光復節記念式の文大統領演説全文>

2019.08.15 11:45

【ソウル聯合ニュース】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は15日、「今からでも日本が対話と協力の道に乗り出すなら、われわれは喜んで手を取る」とし、「公正に貿易し協力する東アジアを共に作り上げていく」と述べた。光復節(日本による植民地支配からの解放記念日)74周年を迎え、中部の忠清南道・天安の独立記念館で開催された記念式典で演説した。

演説する文大統領

 文大統領は「日本が隣国に不幸を与えた過去を省察し、東アジアの平和と繁栄を共に導いていくことをわれわれは願う」と強調した。

 2020年夏の東京五輪に触れ、「世界の人々が(18年に韓国で開催された冬季五輪の)平昌で『平和の朝鮮半島』を目にしたように、東京五輪で友好と協力の希望を持てることを願う」と期待した。

 次は演説文の全文(非公式日本語翻訳)。

 (8.15) 第74周年光復節慶祝辞

 尊敬する国民の皆様、

 独立有功者とそのご遺族の皆様、

 海外同胞の皆様、

 3.1独立運動と臨時政府樹立100周年となる今年、光復74周年記念式が特別に独立記念館で行われることを大変意義深いものであると考えております。

 今日の大韓民国はいかなる苦難にも屈することなく、あきらめなかった独立先烈の強い精神が作り出したものです。

「三角山が起きあがり、肩を踊らせて舞い、漢江の水が逆巻きたぎり立つその日」を渇望しながらすべてを捧げた先烈の熱い精神は、今この瞬間にも国民の胸に息づいています。

 私は本日、独立先烈と有功者、そのご遺族の方々に深く敬意を表すると共に、光復のその日にあふれる気持ちで築き上げようとした国、そして本日、われわれがその意志を継承して作っていこうとする国を国民の皆様と一緒に描いてみようと思います。

 われわれが夢見る国は「共に豊かになる国」、誰もが公正な機会に恵まれ失敗しても立ち直ることのできる国です。

 われわれが夢見る国は、莞島(ワンド)に暮らす島村の少女が(南の)蔚山で水素産業を学び、(北の)南浦で起業してモンゴルやシベリアにエコカーを輸出する国です。(北の)会寧で育った少年が釜山の海洋学校を卒業し、アセアンとインド洋、南米のチリまでをつなぐコンテナ船の航海士になる国です。

農業を専攻した青年がアムール川辺で南北とロシアの農民たちと大規模な大豆栽培を行い、その青年の弟は(南の)瑞山で兄の大豆を餌にして牛を育てる国です。

 豆満江を渡り大陸へと、太平洋を越えてアセアンとインドへと、われわれの暮らしと想像力が広がる国です。われわれの経済活動エリアが韓半島南部を超え、隣国と協力しながら共に繁栄していく国です。

 「溶鉱炉に火をつけよ、新しい国の心臓に鉄線を引いて鉄筋を伸ばし鉄板も延ばそう。セメントと鉄と希望の上に誰も揺るがすことのできない新しい国を築いていこう」

 解放直後、ある詩人は光復を迎えた新しい国の夢についてこう詠いました。

 「誰も揺るがすことのできない新しい国」。それは外国の侵略や支配から解放された新興独立国として持つべき当然の夢でした。

 そして74年が経った今、われわれは世界トップ6の製造大国、世界トップ6の輸出大国の立派な経済力を持つようになりました。国民所得3万ドル時代を切り開き、金九先生が願望していた文化国家という夢も実現しつつあります。

 しかし「誰も揺るがすことのできない国」はまだ実現できていません。それはわれわれがまだ十分強くないためであり、われわれがまだ分断状態にあるためです。

 私は本日、改めていかなる危機にも毅然として対処してきた国民を思いながら、われわれが作りたい国、「誰も揺るがすことのできない国」を誓います。

 尊敬する国民の皆様、われわれは自由貿易秩序に基づいて半導体、IT、バイオなどわれわれの得意な産業に集中することができました。国際分業体制の下でどの国も自国の強みを活かして成功を夢見ることができました。

 近代化に立ち遅れていた東アジアは分業と協業により再び経済発展を成し遂げました。世界はそれを「東アジアの奇跡」と呼びました。

 侵略と紛争の時期がなかったわけではありませんが、東アジアにはそれよりはるかに長い交流と貿易の歴史があります。青銅器文化から現代文明にいたるまで東アジアは互いに伝播し、共有し合いました。人類歴史の中でもっとも長い交流と協力が行われ、共に文明の発展を果たしました。

 光復はわれわれだけに嬉しいものではありませんでした。清日戦争と露日戦争、満州事変と中日戦争、太平洋戦争にいたるまで、60年以上にわたる長い戦争が終わった日であり、東アジア独立の日でもありました。日本国民も軍国主義の抑圧から抜け出し侵略戦争から解放されました。

 われわれは過去に留まることなく日本と安保・経済協力を続けてきました。日本と共に日帝強制占領期における被害者の苦しみを実質的に癒すために取り組み、歴史を鏡とし固く手を結ぼうとする立場を堅持してきました。

 過去を省察するのは過去にこだわることではなく過去から立ち直り未来へと進むことです。日本が隣国を不幸にした過去を省察する中で、東アジアの平和と繁栄を共にけん引していくことをわれわれは望んでいます。

 協力してこそ共に発展し、その発展が持続できるものです。世界は高度の分業体制により共同繁栄を実現してきました。日本経済も自由貿易の秩序の下で分業を行い、発展してきました。

 国際分業体制の下で、どの国であろうと自国が優位にある部門を武器化すれば平和な自由貿易秩序は壊れてしまいます。先に成長を達成した国がその後を追って成長している国のハシゴを蹴り飛ばしてはいけません。

 今からでも日本が対話と協力の道へと出るのであれば、われわれは快くその手を握るはずです。公正に貿易して協力する東アジアを一緒に作っていきます。

 昨年の平昌冬季五輪に続き来年には東京夏季五輪、2022年には北京冬季五輪が開催されます。五輪史上初の東アジアでのリレー開催です。東アジアが友好と協力の土台をしっかりと固め共同繁栄の道へと進む絶好のチャンスです。

 世界の人々が平昌で「平和の韓半島」を目撃したように、東京五輪で友好と協力の希望を持てるようになることを願います。

 われわれは東アジアの未来世代が協力による繁栄を経験できるように、われわれに与えられた責任を果たします。

 尊敬する国民の皆様、今日のわれわれは過去のわれわれではありません。今日の大韓民国は数多くの挑戦と試練を乗り越え、さらに強くなり、成熟した大韓民国です。

 私は本日「誰も揺るがすことのできない国」、われわれが作りたい「新しい韓半島」を目指して3つの目標を提案します。

 第一に、責任ある経済大国として自由貿易の秩序を守り、東アジアの平等な協力を引き出したいと思います。

 わが国民が奇跡のように成し遂げた経済発展の成果と底力は分け合うことはできても、奪われるわけにはいきません。経済での主権がしっかりしているとき、われわれは自らの運命の主人となり、ぐらつかなくなります。

 統合された国民の力は危機を機会へと変え、挑戦はわれわれをさらに強く、大きくしました。

 われわれは中東の熱砂も、太平洋の波も恐れることなく経済を成長させました。軽工業、重化学工業、情報通信産業を次々と育成し、世界的なIT大国となりました。今や5Gなど世界の技術標準をリードする国となりました。

 今までわれわれは先進国を追いかけてきましたが、今は率先して挑戦し、先導する経済へと生まれ変わりつつあります。日本の不当な輸出規制に立ち向かい、われわれは責任ある経済大国への道を地道に歩んで参ります。

 わが国の経済構造を包容と共生の生態系へと変化させます。大中小企業と労使の共生協力により素材・部品・装備産業の競争力強化に力を入れます。科学者と技術者の挑戦を応援し、失敗を尊重することにより誰も揺るがすことのできない経済を作ります。

 われわれに不備があるところを省察しながらも自らを卑下せず共に激励し合うとき、われわれは目標を成し遂げることができると信じています。

 われわれは経済力にふさわしい責任を持ってより大きく協力し、より広く開放することで隣国と共に成長していきます。

 第二に、大陸と海洋を問わず平和と繁栄を先導する橋梁国家になろうとしています。

 地政学的に4国もの大国に囲まれた国は世界にわれわれしかありません。われわれがみすぼらしく力がないときは、韓半島は大陸でも海洋でも辺境になり、ときには諸大国が角逐する場となりました。それがわれわれが経験した過去の歴史でした。

 しかし、われわれが力をもつと大陸と海洋をつなぐ国、北東アジアの平和と繁栄の秩序を先導する国になれます。われわれは地政学的位置をわれわれの強みに変えていかなければなりません。これ以上、他に振り回されず主導していくというしっかりとした目標をもつべきです。

 かつて臨時政府の趙素昻先生は人と人、民族と民族、国と国の間の均等を唱えました。それが平和と繁栄に向けたわれわれの基本精神です。

 わが国民が日本の経済報復に対して成熟した対応を示しているのもまた、わが国の経済を護り抜こうとする強い意志を持ちながらも、両国国民同士では友好が損なわれないことを願う高い水準の国民意識があるからです。

 わが政府が推進する「人間中心の共生繁栄に向けた平和共同体」は、われわれからスタートして韓半島全体と東アジア、さらには世界の平和と繁栄にまで拡大していこうとするものです。

 新北方政策は大陸に向かって走っていくわれわれの抱負です。中国やロシアだけでなく、中央アジアと欧州にまで協力の土台を拡大し、北東アジア鉄道共同体により多国間協力、多国間安保の礎を築きます。

 新南方政策は海洋に向かって走っていくわれわれの抱負です。アセアンおよびインドとの関係を主要周辺国レベルまで格上げし、共同繁栄の協力関係へと発展させていきます。

 今年11月には韓-アセアン特別首脳会議と韓-メコン首脳会議が釜山で開かれます。それらはアセアンおよびメコン諸国との画期的な関係発展を図る道しるべになるはずです。

 南北の間で途絶えた鉄路と道路をつなぐことは、東アジアの平和と繁栄を先導する橋梁国家へと進む第一歩です。韓半島の地と空、海に人や物流が行き来する血脈(道)をつなぎ、南北が大陸と海洋を自由に出入りすることができれば、韓半島はユーラシアと太平洋、アセアン、インド洋をつなぐ繁栄の土台になるはずです。

 アジア共同体はある1国が主導する共同体でなく、平等な国同士の多様な協力が花開く共同体になることでしょう。

 第三に、平和により繁栄を実現する平和経済を構築し、統一によって独立を完成していきたいと思います。

 分断体制を乗り越え、民族のエネルギーを未来繁栄の動力にしていかなければなりません。

 平和経済は、韓半島の完全なる非核化を土台に、北韓が核ではなく経済と繁栄を選ぶよう対話と協力を続けていくことから始まります。

 南北と米国は、この1年8ヶ月間、対話の局面を続けました。最近北韓による数回の懸念すべき行動にもかかわらず対話ムードが揺らいでいないことこそ、政府が進めてきた韓半島平和プロセスの大きな成果であります。一度の北韓の挑発により韓半島が揺さぶられたこれまでの状況とは大きく様変わりしています。 依然として対立を煽る勢力が国内外に少なからず存在しますが、わが国民の平和への切実な願望に支えられ、ここまで辿り着くことができました。

 今年6月末の板門店会談以降、第3回北米首脳会談に向けた北米間の実務者交渉が模索されています。おそらくこれは、韓半島の非核化と平和構築に向けた全過程における最も重大な山場になると思います。南・北・米の三国が、北米の実務者交渉の早期開催に力を集中しなければならない時期です。

 不満なところがあるとしても、対話ムードを壊したり、壁を立てて対話を妨げたりするのは決して望ましくありません。不満があるならば、それも対話の場で問題を提起し、議論すべきであります。国民の皆様にも、対話の最後の山を乗り切ることができるよう、ご声援のほど、よろしくお願いいたします。

 この危機を乗り越えれば韓半島の非核化がより一層近付き、南北関係も大きく前進するはずです。経済協力が加速し、平和経済が始まれば、いずれ自ずと統一は目の前の現実になると思います。

 IMF(国際通貨基金)は、韓国が第4次産業革命をリードし、2024年頃には一人当たり国民所得が4万ドルを突破するとの見通しを示しています。

 そこに南北の能力を合わせれば、それぞれの体制を維持しながらも8千万人規模の単一市場を生み出すことができます。韓半島が統一を果たすことになれば、世界第6位圏の経済大国になるとの見通しを示しています。2050年頃には国民所得7万~8万ドル時代を達成できるという国内外の研究結果も出ています。

 平和と統一がもたらす経済利益が非常に大きくなるということは明らかです。南北の企業にも新しい市場とチャンスが広がります。南北はいずれも膨大な国防費はもちろん、「コリアディスカウント」という無形の分断費用を削減することができます。今われわれが経験している低成長、少子高齢化の解決策も見出せるはずです。

 しかし、何よりも光復のあの日のように、わが民族の心に芽生える希望と情熱が大事です。希望と情熱より大きな経済の成長エンジンはありません。

 釜山からスタートして蔚山と浦項、東海と江陵、束草、元山と羅津・先鋒へと続く環東海経済は、ウラジオストクを経由する大陸経済、北極航路と日本をつなぐ海洋経済へ伸びていくはずです。

 麗水と木浦からスタートして群山、仁川を経て海州と南浦、新義州へと続く環黄海経済は、全羅南道のブルーエコノミーやセマングムの再生可能エネルギー新産業、そして開城工業団地と南浦、新義州へと続く先端産業団地の育成により、中国・アセアン・インドに向けた雄大な経済戦略を完成することになります。

 北韓も経済建設総路線へと国家政策を切り替え、市場経済の導入が行われています。国際社会も北韓が核を放棄すれば、経済成長を支援すると約束しています。

 北韓を一方的に助けようとするわけではありません。互いの体制の安全を保障しながら、南北両方の利益を図り、両方の繁栄を目指そうということです。世界経済の発展に、南北が一緒に貢献したいということです。

 平和経済を通じてわが国経済の新成長エンジンを作っていきます。われわれの力をこれ以上、分断に消耗するわけにはいきません。平和経済にわれわれがもつ全てを注ぎ込んで、「新しい韓半島」の扉を切り開いていきます。

 南北が手を携えて韓半島の運命を主導しようとする意志があれば実現できることです。分断を乗り越えるときに、ようやくわれわれの光復は完成し、誰も揺るがすことのできない国になるはずです。

 「北韓はミサイルを打ち上げるのに平和経済を語るのか」と反論する人たちがいます。しかし、われわれはあちらより強力な防衛力を保有しています。

われわれは状況を注視しながら、韓半島の緊張が高まらないように管理に万全を期していますが、それも究極の目標は対立ではなく、対話にあります。

米国が動揺せず北韓と対話を続け、日本も対話を進めているという現実を直視していただきたいと思います。理念にとらわれて自ら孤立しないでいただきたいと思います。

 われわれの団結した力が絶対に必要です。国民の皆様も志を同じくして、同行してください。

 尊敬する国民の皆様、

 独立有功者とご遺族の皆様、

 海外同胞の皆様、

 私は本日、光復節を迎え任期内に非核化と平和体制を確固たるものにすると誓います。

その土台の上で平和経済に着手し、統一に向けて歩んでいきます。

 北韓と共に「平和の春」に蒔いた種が「繁栄の木」に育つように、対話と協力を発展させていきます。

 2032年にはソウルー平壌共同五輪を成功開催し、2045年の光復100周年には平和と統一で一つになった国(One Korea)として世界にしっかり位置づけられるよう、その土台を強固に築いていくと約束します。

 臨時政府が「大韓民国」という国号とともに「民主共和国」を宣布してから100年が経ちました。

 われわれは100年間省察し、成熟しました。もはやどのような危機も乗り越えられる自信を持てるようになり、平和と繁栄の韓半島を実現するための国民の能力が高まりました。われわれは「誰も揺るがすことのできない国」をつくることができます。

 南岡・李昇薫先生のお言葉をかみ締めます。

 「私は種が地の下から重い土を持ち上げて芽立つ時、自分の力でない他の力を借りて上がってくるのを見たことがない」

 われわれの力で分断を乗り越え、平和と統一へ進む道こそ、責任ある経済大国への近道となります。われわれが日本を追い越す道であり、日本を東アジア協力の秩序へと導く道です。

 韓半島と東アジア、世界の平和と繁栄をけん引する「新しい韓半島」がわれわれを待っています。

 われわれはできます。

 ありがとうございました。

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