【世宗聯合ニュース】韓国企画財政部は15日公表した経済動向報告書(グリーンブック)11月号で、最近の韓国経済について「7~9月期に生産と消費の増加傾向を維持している」とする一方、「輸出と建設投資の減少傾向が続き、成長を制約している」と指摘した。
政府の経済動向報告書(グリーンブック、資料写真)=(聯合ニュース)
11月号では、政府が4月号から10月号まで、同報告書の作成を開始した2005年3月以来で最長となる7カ月連続で用いていた「不振」という表現が消えた。「不振」の範囲は4月号と5月号が「鉱工業生産、設備投資、輸出」だったのに対し、6月号以降は「輸出、投資」に範囲が狭まっていた。
政府は報告書で「世界の貿易や製造業景気の冷え込みなどで世界経済が同時に鈍化するなか、日本政府による(対韓)輸出規制措置が続き、米中貿易交渉の展開と世界の半導体市況の回復時期に関する不確実性が存在している」と指摘した。
9月の主要経済指標をみると、鉱工業生産は前月比2.0%増加したが、サービス業生産は1.2%減少し、全産業の生産は0.4%減となった。設備投資は機械類や運送装備分野で投資が増え、前月比2.9%増加した。増加は4カ月連続。
10月の輸出は前年同月比14.7%減少した。世界経済の成長鈍化や半導体の単価下落などが影響し、11カ月連続のマイナスとなった。
10月の消費者物価指数は前年同月比横ばいだった。
10月の消費関連の速報値をみると、韓国製乗用車の国内販売台数は前年同月比1.1%増加した。5月から8月まで減少が続いたが、9月から2カ月連続で増えた。インターネット通販売上高は前年同月比5.4%、韓国国内でのクレジットカード使用額は同4.6%、それぞれ増加した。また、訪韓中国人客も24.2%増えた。一方、百貨店売上高は3.7%減、ディスカウントストア売上高は3.2%減となった。
政府は、日本の輸出規制への対応などリスク管理に万全を期し、年内いっぱい財政執行と政策金融、貿易金融の実施に取り組むと説明。あわせて、経済活力の引き上げに向けた課題を積極的に探し、2020年経済政策方向に反映するとした。
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