【ソウル聯合ニュース】韓国と日本は9日午前0時から、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためにそれぞれ相手国に対する入国制限を強化した。両国間の活発な人的交流や密接な経済関係などを踏まえると、互いの措置は大きな波紋を広げる見通しで、両国関係の悪化も懸念される。
入国制限強化の前日、ソウル・金浦空港から日本に向かう乗客=8日、ソウル(聯合ニュース)
韓国外交部と法務部によると、韓日はそれぞれ、相手国の国民に対し観光目的など90日以内の短期滞在の査証(ビザ)免除を停止。日本は5日、免除を3月末まで停止し、韓国人に発行済みのビザも無効にすると発表している。
韓国人が日本に入国しようとする場合、新たに査証の発行を受けなければならないが、日本は「慎重な審査が必要」との姿勢で、新規発行は容易でないとみられる。入国したとしても、指定された場所で2週間待機しなければならない。
韓国はこうした日本の措置に不純な政治的意図があると判断し、相互主義の原則に基づき日本人へのビザ免除措置と発行済みビザの効力を停止することにした。また、日本所在の韓国公館にビザ発行を申請する外国人には自筆の健康状態確認書の提出を求める。ただ日本のように、入国者に対し2週間の待機は求めない。代わりに日本からの入国者に対し体温検査を行い、健康状態質問書の提出を受け、韓国国内での連絡先や住所を確認するなどの「特別入国手続き」を実施する。
日本は韓国人の訪問先トップで、昨年は韓日関係の冷え込みにもかかわらず558万人が訪日した。韓国を訪れる日本人も327万人と、中国人に次いで多かった。
新型コロナウイルス感染の拡大に伴い、韓日間の交流はすでに縮小しているが、両国の今回の入国制限強化は入国禁止に次ぐ厳しい措置となる。韓国では予定していた日本への旅行や出張を断念するケースが続出している。時間の経過とともにビジネスや留学などへの影響はますます広がる見通しだ。韓国大法院(最高裁)が日本企業に強制徴用被害者への賠償を命じた判決と日本政府が発動した対韓輸出規制強化によって溝が深まった両国関係は、回復がさらに遠のくとの懸念も出始めている。
両国を往来する航空便も9日から大幅に縮小する。韓国航空大手をみると、日本12都市とを結ぶ17路線を運航してきた大韓航空が、仁川―成田線以外の全路線を28日まで運休する。アシアナ航空はすべての日本路線を31日まで運休とした。日本路線就航から30年にして初めてのこと。格安航空会社(LCC)の多くも運休している。
全日本空輸と日本航空も、韓国と中国を出発して羽田空港に到着する便の運休を決めた。
仁川国際空港に駐機中の旅客機(資料写真)=(聯合ニュース)
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