【ソウル聯合ニュース】韓国のソウル中央地裁が日本政府に対して旧日本軍の慰安婦被害者への損害賠償を命じた判決を巡り、先月29日に敗訴した日本から訴訟費用を徴収できないとの判断を示したことが21日までに分かった。
慰安婦被害者の銅像(資料写真)=(聯合ニュースTV)
同地裁は「国家が原告(慰安婦被害者)に納入を猶予した訴訟費用のうち、被告(日本)から徴収できる費用は存在しない」との決定を下した。
慰安婦被害者ら12人は、裁判所が経済的に厳しい人のため訴訟費用の納付を猶予する制度を利用して訴訟を起こし1月に一審で勝訴。日本政府が控訴しなかったため判決が確定した。
判決では日本政府に被害者の訴訟費用を負担するよう命じた。この場合、裁判所は猶予した訴訟費用を被告から徴収する手続きに入る。
だが、同地裁は「韓国と日本の間でこれまで締結されたいわゆる韓日請求権協定、慰安婦合意など各条約と合意、各国当局が本件と関連して取った言動に国際法上の禁反言、すなわち『以前の言動と矛盾する行動はできない』とする原則を加えれば、徴収決定を出すことはウィーン条約など国際法に反する結果を招きかねない」とし、国際法違反に該当する可能性があるとして、徴収できないという異例の決定を出した。
また、「ウィーン条約に基づき、国内の事情と解釈にもかかわらず(慰安婦合意など)条約の効力は維持される」とし、「このような場合、判決の執行自体が権利の乱用に該当し、請求異議の申し立てや暫定処分の対象になる可能性を排除できない」と指摘。「このような状況にまで至る場合、国家的な威信に関わり、司法の信頼を損なうなど重大な結果に至り、憲法上の国家安全保障、秩序維持、公共の福利とも相反する結果となる」と強調した。
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