【ソウル聯合ニュース】韓国軍と警察、情報当局は3日、北東部・江原道の東部戦線で1日にGOP(最前線の監視所)の鉄条網を越えて北朝鮮入りした人物について、2020年11月に同じ場所から韓国に入った30代前半の北朝鮮男性と同一人物と判断した。
当局は南北軍事境界線を越えて北朝鮮入りした人物を20年に脱北した男性と同一人物と判断した=(聯合ニュースTV)
国防部の関係者はこの日、記者団に対し、南北軍事境界線付近の民間人統制線一帯の監視カメラを確認した結果、20年11月に韓国入りした男性と同一人物と判断したと明らかにした。
男性は韓国入りした当時、情報当局の取り調べに対して器械体操の経験者だと供述した。関係当局は男性が体重約50キロ、身長も低めで小柄な体格のため、高さ約3メートルの鉄条網を比較的容易に越えることができたとみている。
軍当局はこの男性の職業などについて具体的に説明しなかったが、韓国では清掃作業員として働き、経済的に余裕のない生活をしていたとされる。男性とは先月30日から連絡が取れなくなっていた。
国防部の関係者は、男性が北朝鮮のスパイである可能性について「詳細は関連機関に確認中だ」としながら「(スパイ容疑などは)事実ではないと判断される」と述べた。
19年、江原道・高城の高城統一展望タワーから見た監視所(GP)と金剛山(資料写真)=(聯合ニュース)
軍当局は男性が北朝鮮に入った後の2日午前と午後の2回、軍通信線で北朝鮮に通知文を送った。国防部の関係者は「北側はこの通知文を受信したと返信したのみで、われわれの身辺保護の要求に対する返答はまだない」と伝えた。
男性が約1年前に同じ地域から韓国入りした人物であることが確認され、脱北者が事実上、南北を自分の庭のように出入りしたとの指摘も出ている。
軍当局の警備の穴が明らかになったほか、警察の脱北者管理のずさんさに対しても批判が相次ぐと予想される。
軍と情報当局は、男性が非武装地帯(DMZ)に入った際に北朝鮮兵3人が男性と接触して連れて行ったことを確認したとされ、男性の身辺に異常はないと推定している。
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