【ソウル聯合ニュース】9日に実施された韓国大統領選は保守系最大野党「国民の力」の尹錫悦(ユン・ソクヨル)氏が薄氷の勝利を収めたが、在外投票だけをみると、革新系与党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)氏が尹氏を大きく上回っていたことが15日、分かった。
2月23日、在日本韓国大使館(東京都港区)の投票所で一票を投じる有権者=(聯合ニュース)
在外投票は2月23~28日に115カ国・地域の在外公館など、219の投票所で実施された。中央選挙管理委員会が公開した開票結果によると、在外投票に参加した有権者は16万1878人で、このうち54.8%が李氏に票を投じた。同氏は尹氏(32.9%)を21.9ポイント引き離した。
一方、1万3723票(8.5%)は無効票となった。その多くが中道系野党「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)氏の票だったと推定される。同氏と尹氏が両党の候補を尹氏に一本化すると発表したのは3月3日で、在外投票はその前に実施されたため。
大統領選の在外投票は2012年12月に初めて実施され、今回で3回目。いずれも共に民主党またはその前身が勝利している。12年の大統領選では保守系与党だったセヌリ党の朴槿恵(パク・クネ)氏が当選したが、在外投票に限ると民主統合党の文在寅(ムン・ジェイン)氏が56.7%で、朴氏(42.8%)を上回った。17年の前回大統領選では、文氏が在外投票で59.2%を得票。安哲秀氏は16.3%にとどまった。
こうした結果について、世界各地の在外国民でつくる団体「在外国民有権者連帯」の関係者は「革新支持の傾向が強い20~30代を中心とする海外駐在員や留学生たちの投票率が高いことが作用した」と分析した。
海外僑胞問題研究所の李求弘(イ・グホン)理事長は、保守的な傾向のある高齢世代の場合、投票所のアクセスが良くないと投票を断念することも多いと指摘する。新型コロナウイルスの感染拡大が続いていることも影響したとみている。郵便投票または電子投票などが導入されて世界各地で偏りなく投票が行われれば、また違う結果になり得るとの見解を示した。
李在明氏(左)と尹錫悦氏(資料写真)=(聯合ニュース)
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