【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期政権への移行を準備する政権引き継ぎ委員会が21日、184人体制の委員会構成を終えて引き継ぎ活動に入った。5月10日の大統領就任式の前日まで50日間、就任式の準備と、新政権の円滑な発足に向けた国政の引き継ぎに専念する。
2回目となる全体会議の様子(国会写真記者団)=21日、ソウル(聯合ニュース)
委員会は18日にソウル市内の事務所で看板掛けを行った後、尹氏が初の全体会議を開いている。この日は、安哲秀(アン・チョルス)委員長が事務所の大会議室で全体会議を主宰し、元喜龍(ウォン・ヒリョン)企画委員長や七つの分科の引き継ぎ委員24人全員、報道官などが顔をそろえた。新型コロナウイルスに感染し自主隔離中の権寧世(クォン・ヨンセ)副委員長と企画調整分科の秋慶鎬(チュ・ギョンホ)幹事は欠席した。
安氏は委員会を「新政権の先鋒」と呼び、「こうした重要な任務を遂行するには休んでいる暇はない。しっかり働いてくれるものと期待する」と鼓舞。各分科の引き継ぎ委員には最善の結果を得るために協力し合うよう、「ワンチーム」としての意識を求めた。
安氏の発言の後は非公開で会議が進められ、23分で散会した。
非公開の会議では、国政の目標と課題を定める企画調整分科の主導で、委員会の実務に関する指針が伝達された。委員会全体の日程や分科別の活動計画の様式など、活動に必要な事項が主に話し合われた。また、会議室には引き継ぎ委員会の機能と法的根拠を網羅したマニュアルが準備されていた。
委員会の報道官はこの日の全体会議について、「新型コロナウイルス非常対応TF(タスクフォース)を新型コロナウイルス非常対応特別委員会に格上げし、委員会の会議日程など運営計画を確定した」と説明した。
7分科はそれぞれ、関係官庁から業務報告を受ける。早ければ23日に始まる見通し。円滑な政権引き継ぎという実務面の他に、次期政権の政策の優先順位を定め、政府組織再編の構想を練ることも初期の活動に挙げられる。
官庁からの業務報告は1週間以内に終える方針だ。現政権が掲げてきた「脱原発」と「朝鮮半島平和プロセス」をはじめ、不動産や金融、税制などの主要政策・事業を見極めた上で、補完、廃棄、持続、強化といった今後の扱いを決めるとみられる。また、政府組織の方向性も具体化することになりそうだ。尹氏が公約としていた女性家族部の廃止などが焦点となる可能性がある。
一方、引き継ぎ委員には保安厳守が言い渡され、報道陣の質問には「決まったことはない」という返答が多かった。委員会側は、各分科に関わる専門・実務委員の顔ぶれも、まだ検証中だとして公開しない姿勢だ。
全体会議で発言する安委員長(中央、国会写真記者団)=21日、ソウル(聯合ニュース)
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