【ソウル聯合ニュース】新政権の組閣作業を進める尹錫悦(ユン・ソクヨル)韓国次期大統領が首相や閣僚の裁量の範囲を広める「責任総理・責任長官」を打ち出し、現政権との違いを強調している。
3日に記者会見を行った尹氏(左)と韓氏(政権引き継ぎ委員会写真記者団)=ソウル(聯合ニュース)
首相や閣僚に人事権をはじめとする独立性を幅広く保障し、大統領室の権限を大幅に減らすことで業務の効率を高めるという尹氏の国政に対する考えが反映されたものと受け止められる。
尹氏は、これまでの政権が首相や閣僚の権限を強くするとしながらうやむやにしてきた事例を反面教師にするとし、本気度をアピールしている。
また尹氏が新政権の初代首相候補に韓悳洙(ハン・ドクス)元首相を指名し、同氏と組閣に関する協議を進めたことについて、尹氏側は首相や閣僚の権限強化実現の合図と強調している。
尹氏側関係者は4日、「文在寅(ムン・ジェイン)政権は青瓦台(大統領府)が各官庁の課長級の人事まで行ったが、尹錫悦政権ではそのようなことは行わない」とし、現政権との違いを強調した。
また「首相の内閣統轄権を相当部分認め、閣僚の任命まで任せる」とし、「閣僚はその分野の大統領として人事権を全面的に持ち、運営の責任を負い、官庁間で競争して遅れをとれば責任も問われることになる」と説明した。
これと関連し尹氏の報道官を務める金恩慧(キム・ウンヘ)氏は、この日の定例会見で、首相や閣僚の権限強化はこれまでも多くの政権が導入を論じたが実践するのは容易ではなかったとし、これは意思や努力の有無が問題だったのではなく、長く続いた慣習を絶つのが難しかったのだと考え、新政権はそれを心に刻んで実践していくと説明した。
尹氏と韓氏は初代首相候補の発表前日の2日、約3時間にわたり閣僚候補を巡る協議を行ったという。
これについて金氏は「法で保障された首相の人事提案権の実質的な効力が発生した瞬間」と話した。
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