【ソウル聯合ニュース】韓国のサムスン電子が、「賃金ピーク制」の廃止を求める労働組合に対し「合理的で正当な手順を踏んで賃金ピーク制を導入、運営している」と回答したことが10日、分かった。賃金ピーク制は雇用または定年延長を保障する代わりに一定の年齢以降は勤務時間を調整するなどして賃金を引き下げる制度。公共機関と大企業で広く取り入れられているが、先月の韓国大法院(最高裁)の判決をきっかけに、大企業の労組が制度廃止を要求し始めた。
サムスン電子の社屋(資料写真)=(聯合ニュース)
サムスン電子で活動する四つの労組が集まった共同交渉団は、賃金ピーク制の廃止を会社に要求している。先月26日に大法院が合理的な理由なく年齢だけを基準に賃金を減らす賃金ピーク制は無効とする判断を示すと、サムスン電子の労組はこの判例を挙げ、会社側に説明を迫った。
会社側は今月9日、労組に文書で「わが社の賃金ピーク制は『定年延長型』で、『定年維持型』とは違いがある」と回答し、合理性と正当性を強調。賃金の減額率を縮小し、適用年齢を引き上げるなどの措置を取ったことにも言及した。
サムスン電子は民間企業としては早めの2014年に、定年を満55歳から満60歳に引き上げる定年延長型の賃金ピーク制を導入した。当初は満55歳を起点に前年比で賃金を10%ずつ減額する仕組みだったが、その後、制度の適用年齢を57歳と遅らせ、減額率も5%に縮小した。
同じサムスングループ傘下のサムスンディスプレーも労組から説明を求められ、サムスン電子と同様の趣旨で回答した。SKハイニックスや現代自動車などの大企業でも労組が制度廃止を要求している。
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