【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は17日、文在寅(ムン・ジェイン)前政権で与党だった「共に民主党」が前政権に対する「政治報復捜査」が行われていると主張していることについて、「正常な司法システムを政治論争化することは望ましくない」との考えを示した。
大統領室庁舎に出勤した際、記者団の質問に答える尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領=17日、ソウル(聯合ニュース)
共に民主党は文前政権初期に産業通商資源部傘下の発電公共企業のトップに辞任を強要したいわゆる「産業部ブラックリスト」疑惑を巡り、検察が青瓦台(大統領府)人事首席秘書官室で当時勤務していた同党の国会議員を捜査する方針を示したことや、ソウル近郊にある城南市の都市開発疑惑に絡み同市市長を務め、3月の大統領選で尹氏に惜敗した李在明(イ・ジェミョン)国会議員を容疑者として特定したとの報道が出たことについて、政治報復だと反発している。
尹大統領は「政権交代が起こると、刑事事件の捜査というのは過去のことを捜査するものであり、未来に対する捜査はできない」と反論。「過去のことから捜査が行われ、少し時間が経てば現政権に関する捜査が行われるもので、民主党政権の際は(過去の政権を)捜査しなかったのか」と記者に問い返した。
一方、2020年9月に海上で韓国の男性公務員が北朝鮮軍に射殺された事件を巡って、文前政権時の発表と異なり、この男性が北朝鮮に亡命する意思があったと断定できる根拠はないと発表したことに関し、共に民主党が事実関係を歪曲(わいきょく)したなどと批判したことについては、「いつも政治権力的に問題を解釈している」と指摘。大統領記録物として「封印」された事件関連資料を確保するための措置が行われるかに関しては、自身が直接関与する問題ではないとしながらも「当事者(遺族)も真相を確認するため法的措置を取るのではないか。それに従って(措置が)進められると思う」と述べた。
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