【ソウル聯合ニュース】韓国の国家報勲処は11日、国民的詩人の尹東柱(ユン・ドンジュ、1917~45年)ら独立功労者156人に対し家族関係登録簿の創設を推進すると発表した。家族関係登録は戸籍制度に代わって導入された制度で、「独立功労者礼遇に関する法律」改正後、直系子孫の届け出を受けてこれまでに独立功労者73人の家族関係登録簿が創設されている。直系子孫のいない独立功労者について政府の職権で家族関係登録簿創設に動くのはこれが初めて。
国家報勲処が尹東柱ら独立功労者の家族関係登録簿創設を推進する。尹東柱は「抵抗詩人」として今も広く支持されている(国家報勲処提供)=(聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫
国家報勲処が今回対象とする156人は、日本による植民地時代の1912年の朝鮮民事令制定以前に国外に移住した独立功労者か、独立運動に関わり45年の光復(植民地支配からの解放)前に死亡した人。48年12月の韓国の国籍法制定に基づく書類が存在しない。
「序詩」など叙情的ながら民族的な情緒に満ちた詩で知られる尹東柱をはじめ、大韓帝国の外交顧問だった親日派の米外交官スティーブンソンを08年に暗殺した張仁煥(チャン・インファン)、抗日武装闘争を率いた洪範図(ホン・ボムド)、尹東柱のいとこで独立運動家だった宋夢奎(ソン・モンギュ)ら建国勲章の受章者が含まれる。
国家報勲処は独立功労者に対する全数調査を実施し、原籍・除籍、遺族の存在有無、生没年月日と場所といった情報の確認と訂正作業を経て、家族関係登録簿創設の対象を選定した。同登録簿上の「登録基準地」(旧本籍地)は、関係団体や機関などの意見を取り入れ、独立記念館(忠清南道天安市)の所在地とする予定。今年の光復節(8月15日)までの創設を目指す。
国家報勲処は「156人の独立功労者が韓国の公式な書類に記載されることになる。祖国独立のため犠牲と献身の人生を送った方たちに国が最後まで責任を負う『一流報勲』の象徴的な措置」と説明。独立功労者の家族関係登録簿創設に体系的に取り組む姿勢を示した。
独立軍を率いた洪範図将軍の遺骨はカザフスタンに埋葬されていたが、2021年に韓国に返還された(資料写真)=(聯合ニュース)
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