【世宗聯合ニュース】韓国企画財政部は20日公表した経済動向報告書(グリーンブック)7月号で、最近の韓国経済について「海外の状況悪化が持続して物価上昇の勢いが拡大し、今後の輸出回復への制約など景気の鈍化(減速)が懸念される」と分析した。
韓国政府は2カ月連続で景気減速に懸念を示した=(聯合ニュースTV)
政府がグリーンブックで景気減速に懸念を示したのは先月に続き2カ月連続。先月の消費者物価指数は前年同月比6.0%上昇し、アジア通貨危機の影響を受けた1998年11月(6.8%)以来約24年ぶりの高水準を記録した。
農産物価格が上昇傾向に転じ、石油類などの価格も大幅に上昇したためだ。変動の大きい農産物と石油類を除いたコア物価も4.4%上昇し、インフレが全般的に広がった。
経済状況に対する消費者の心理を総合的に示す消費者心理指数は6月に96.4と前月(102.6)比6.2ポイント悪化し、2021年2月(97.2)以来1年4カ月ぶりに基準値の100を下回るなど、消費心理も悲観的となった。
韓国経済をけん引する輸出も伸びが鈍化している。6月の輸出額は前年同月比5.2%増にとどまり、16カ月ぶりに増加率が一桁台に下落した。
一方、輸入は同期間に19.4%増加して貿易赤字が拡大。今年上半期(1~6月)の貿易収支は103億ドル(約1兆4200億円)の赤字を記録し、上半期としては過去最大となった。
政府は「世界的なインフレが続く中で主要国の利上げの加速化、中国の成長鈍化、ロシア・ウクライナ戦争の長期化などによる国際金融市場の変動性が持続し、世界的な景気減速のリスクがさらに拡大した」と説明した。
ソウル市内の干物市場(資料写真)=(聯合ニュース)
国内では新型コロナウイルスの防疫措置解除などにより5月のサービス業生産が前月比1.1%増加するなど、対面業種を中心に改善の兆しがみられる。
6月の就業者数が前年同月比84万1000人増加するなど、雇用市場も引き続き改善している。
政府は「国民生活と物価安定のための全般的な対応強化とともに、景気対応・リスク管理に全力を尽くす」としながら、「低成長の克服と成長・福祉の好循環のための課題にスピード感を持って取り組む」と強調した。
コンテナが並ぶ釜山港(資料写真)=(聯合ニュース)
ynhrm@yna.co.kr