【ソウル聯合ニュース】韓国で行政安全部内への「警察局」新設に対する警察の反発が激化している。政府は検察から捜査権が移管されることになった警察の権限の肥大化をけん制する狙いで、警察を指揮する組織ではないと説明しているが、警察や野党などは警察を事実上支配するための組織だと批判している。
警察庁(資料写真)=(聯合ニュース)
警察局を巡っては、行政安全部の諮問機関・警察制度改善諮問委員会が警察の権限の肥大化について、「このように拡大・強化された警察権限は世界的に例を見ない」として、「警察制度や警察の任務遂行能力に対する補完策が必要だ」と指摘して警察局の設置を勧告。法的手続きが進められており、閣議などを経て来月2日に発足する予定だ。行政安全部内に警察業務組織ができるのは、警察庁が同部の前身である内務部の治安本部から外局として独立した1991年以来となる。
新設される警察局は▼警察関連の重要政策や法令の閣議上程▼総警(警視正に相当)以上の警察公務員に対する任用要請▼自治体傘下の自治警察の支援――などの業務を担う。
だが、警察は中立性や独立性を損なう恐れがあるとして警察局の設置に反発。警察トップの金昌龍(キム・チャンリョン)警察庁長は6月末、辞意を表明した。今月23日には全国の警察署長による会議が開かれ、約190人が参加し、警察局新設の法令制定の手続きを見送るよう求める意見を出した。警察庁は会議を主導した警察署長を処分し、会議参加者のうち56人の監察を実施すると明らかにした。李祥敏(イ・サンミン)行政安全部長官は「クーデターに準じる状況で、極めて不適切だ」と批判した。
だが、警察内部の反発はますます激しくなっており、30日には全国警察署のチーム長による会議を開くとしている。
尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は25日、警察の反発について、記者団に「行政安全部と警察庁で必要な措置をしっかり取っていくとみている」と述べるにとどめた。
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