【ニューヨーク聯合ニュース】米ニューヨークを訪れている韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は20日(米東部時間)、国連総会で就任後初の一般討論演説を行った。尹大統領はある国で個人の自由が脅威にさらされた時、共同体の構成員が連帯して脅威を取り除かなければならないと述べたうえで「国際社会のどの国で自由が脅威にさらされても、国際社会は連帯して自由を守らなければならない」と力説した。
国連総会で演説する尹大統領=20日、ニューヨーク(聯合ニュース)
10番目に演説した尹大統領は、国際社会において力による現状変更や核兵器をはじめとする大量破壊兵器、人権の集団的蹂躙(じゅうりん)により世界市民の自由と平和が脅威にさらされていると指摘。そのうえで国連と国際社会が蓄積してきた普遍的国際規範システムを強く支持し、連帯することでこれらを克服しなければならないと訴えた。また危機克服の解決策を模索する出発点は国際規範システムと国連のシステムで、これらを尊重して連帯しなければならないと強調した。
尹大統領は自由の重要な概念として▼疾病からの自由▼文盲からの自由▼エネルギーと文化の欠乏からの自由――を挙げた。そのうえで、これまでの国連や傘下機関の努力に加えさらに幅広い役割と責任が求められていると主張。パンデミック(世界的大流行)対応、脱炭素、デジタル格差の解消などを重要課題として挙げた。
これらの解決に向けて韓国が先導国として役割を果たす意向も示した。尹大統領は国連発足後、最初の意味あるミッションは韓国を朝鮮半島唯一の合法的な政府と承認し、国連軍を派遣して韓国の自由を守ったことだったと述べたうえで「国連の努力のおかげで現在の成長を達成した大韓民国は世界市民の自由を守るとともに自由を広げて、平和と繁栄のために国連と共に責任を果たす」と明言した。
尹大統領は韓国が支出の構造調整で財源を捻出し、社会的弱者向け支援と政府開発援助(ODA)予算を増やすと表明。また「新型コロナウイルス対応ツールへのアクセス加速事業(ACT―A)」に3億ドル(約432億円)の支援を約束するとともに11月にソウルで「世界健康安全保障アジェンダ」(GHSA)の閣僚会議を開くことにも言及した。
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