【ソウル聯合ニュース】韓国のサムスングループ経営トップ、李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長が4日、来韓中の孫正義・ソフトバンクグループ会長兼社長と会合したことが、5日分かった。
2019年、来韓した孫氏(右)と夕食会に向かう李氏(資料写真)=(聯合ニュース)
今回の会合を巡り業界ではソフトバンクグループ傘下で半導体設計の英アームとサムスンとの戦略的協力について関心が集まったが、財界関係者によると具体的な議論はされなかったという。
李氏と孫氏は親しいとされ、孫氏が2013年と14年、19年に来韓した際にも協力策を話し合った。
孫氏は今回の会合で、サムスンとアームの中長期的かつ包括的な協力策を提案したとされる。ただ、当初一部で予想されていたアームの株式売却など具体的な内容は話し合われなかったという。
アームはコンピューターの中央演算処理装置(CPU)やスマートフォンのアプリケーションプロセッサ(AP)など、IT機器の「頭脳」と呼ばれる半導体の設計技術を持つ企業。AP設計技術に関する知的財産(IP)のライセンスを世界の企業に供給しており、モバイル機器の95%が同社の技術を採用している。
ソフトバンクは20年、アームを米画像半導体大手エヌビディアに対し当時の株価の400億ドル(約5兆7780億円)で売却しようとしたが、英国など各国の規制当局の反対を受けて今年初めに断念した。その後、アームの米ナスダック市場への上場を推進してきたが、世界的な景気後退の影響で難航しているとされる。
業界では規制当局の承認や買収資金などを考慮すると、サムスンが単独でアームを買収する可能性は低いと予想していた。
代わりに、サムスン電子がアームとの戦略的協力関係を強化するか、他の企業とコンソーシアム(企業連合)を組み、共同で買収を進めるとの見方が出ている。
韓国半導体大手のSKハイニックスや米クアルコムもコンソーシアムに関心を示している。
SKハイニックスの朴正浩(パク・ジョンホ)副会長は今年3月、「アームは一つの会社が買収できる企業ではない」として「戦略的投資家らと共にコンソーシアムで買収する方策を検討している」と述べた。
海外メディアによると、クアルコムのアモン最高経営責任者(CEO)も5月にアームを買収するためのコンソーシアムに参加する意向を明らかにした。
孫正義氏(共同=聯合ニュース)
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