【ソウル聯合ニュース】韓国と米国の軍用機約240機が参加する合同空中訓練「ビジラント・ストーム」が、今月末から朝鮮半島上空で実施される。中国共産党の党大会が終了し、北朝鮮が来月8日の米中間選挙までの間に7回目の核実験に踏み切るとの観測もあり、韓米は大規模訓練で北朝鮮に強い警告のメッセージを送る考えとみられる。
北朝鮮の度重なる弾道ミサイル発射を受け、韓米の戦闘機は6月7日に武力誇示の飛行を行った(韓国軍合同参謀本部提供)=(聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫
韓国空軍は28日、米第7空軍司令部と31日から来月4日まで合同空中訓練を実施すると発表した。期間中、韓米の両空軍は約96時間にわたり主な航空作戦任務を中断なく遂行し、戦時作戦の手順の熟達を図るとともに持続作戦能力を高める計画だ。
韓国軍から最新鋭ステルス戦闘機F35Aをはじめ戦闘機F15KやKF16など約140機の軍用機、米軍からは最新鋭ステルス戦闘機F35Bや電子戦機EA18、高高度偵察機U2、空中給油機KC135など約100機が参加する。オーストラリア空軍も韓米の合同訓練に初参加し、空中給油機KC30Aを1機派遣する。
在日米軍岩国基地(山口県)所属のF35Bは初めて韓国内の基地に着陸する。米軍は今年7月の韓米合同訓練にF35Aを参加させ、9月23日~10月8日には原子力空母「ロナルド・レーガン」を朝鮮半島に展開した。米国の戦略資産が相次いで朝鮮半島に入っており、韓米首脳が5月の会談で合意した「調整された方式の戦略資産の適時展開」が実現しつつある。
韓米の戦力が計約1600ソーティー(出撃回数)をこなす間、戦時航空作戦を指揮する韓国航空宇宙作戦本部(KAOC)は連合作戦をリアルタイムで運営・統制し、作戦遂行能力を点検する。
韓米がこれほど大規模な合同空中訓練を実施するのは2017年12月以来となる。北朝鮮が同年9月に6回目の核実験を実施し、11月に大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射するなど重大な挑発を重ねたのに対抗し、韓米は12月、米戦略爆撃機B1Bを含む両国の軍用機約260機を朝鮮半島上空に展開した。
現在、北朝鮮は7回目の核実験の準備を終えたとされ、弾道ミサイル発射や南北軍事合意に違反する砲撃などで朝鮮半島の緊張を急速に高めている。韓米による大規模訓練は、現状が17年並みに厳しいと判断していることを示す。
韓米の空軍は、空中作戦遂行能力の向上や戦時の航空作戦手順の熟達を目的に、15年に「ビジラント・エース」の名称で同空中訓練を初実施した。文在寅(ムン・ジェイン)前政権期の18年は米朝間の非核化交渉の進展を受け、韓国空軍単独の訓練と大隊級以下の小規模な韓米空軍訓練だけを行い、19年は訓練を実施しなかった。今年は戦略・戦術的能力を強化し、強力な連合防衛体制を確立するため訓練規模を拡大し、名称を「ビジラント・ストーム」とした。
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