【ソウル聯合ニュース】韓国・ソウルの繁華街、梨泰院で150人以上の死者が出た雑踏事故を巡り、ずさんな対応を取ったとされる行政機関などの捜査を進める警察の特別捜査本部は2日、ソウル警察庁や梨泰院を管轄する竜山警察署、竜山区庁など7カ所の家宅捜索を行った。
ソウル警察庁から押収品を運ぶ特別捜査本部の関係者=2日、ソウル(聯合ニュース)
事故当日の緊急通報やハロウィーンの警備計画に関する資料などを確保したという。
このうち緊急通報を扱うソウル警察庁と竜山警察署の関連部署や、竜山警察署の情報課が重点捜査対象となっている。
警察が同事故と関連して強制捜査に踏み切ったのは初めて。
特別捜査本部は家宅捜索で確保した資料をもとに、事故発生までの約4時間に寄せられた11件の通報について、担当の警察官が職務上の責任を全うしたのか、また、通報を受けて出された指示や対応が適切だったのかなどを調べる計画だ。11件の通報のうち、現場出動につながったのは4件だった。
特別捜査本部はソウル警察庁と竜山警察署が11件の通報を受けたにもかかわらず、群衆の誘導や警察官の増員など適切な措置を取らなかった理由などを調べる方針だ。
また、ハロウィーンに備えた警察官の配備計画など、全般的な準備の状況を確認し、事故当日に竜山警察署が取った安全管理措置の適切性についても検討する予定だ。
竜山警察署がハロウィーンに備え、機動隊の支援を要請したが、ソウル警察庁がこれを拒否した疑いについても調査が行われるものとみられる。
竜山区庁の関連部署でも資料が押収された。
事故の3日前の先月26日に、竜山区庁や警察署、現場最寄りの地下鉄の梨泰院駅などがハロウィーンに備え「安全対策懇談会」を開いたにもかかわらず、適切な対策を立てなかったという指摘が出ていることから、特別捜査本部は確保した資料をもとに、このような疑いについても調査を進める方針だ。
また、駅周辺の混雑を予想して地下鉄を梨泰院駅で停車させずに通過させる措置を取ることが可能であったにもかかわらず、これをせずに被害を拡大させた疑いがある同駅も家宅捜索の対象だったが、駅長の反発により見送られた。
特別捜査本部は改めて同駅の家宅捜索を実施する方針だ。
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