【ソウル聯合ニュース】韓国・ソウルの繁華街、竜山区梨泰院で先月29日に発生し、158人が死亡した雑踏事故を巡り、警察庁の特別捜査本部は21日、現場を管轄する竜山警察署の李林宰(イ・イムジェ)前署長を容疑者として取り調べている。
特別捜査本部に出頭した李林宰氏=21日、ソウル(聯合ニュース)
出頭した李氏は報道陣の前で「生涯、罪人の気持ちで生きる」と述べ、事故について改めて謝罪した。事故現場への到着が遅れた理由などについて問われると、「自分が知っていることをありのままに話す」と述べるにとどめた。
李氏はハロウィーンの時期に梨泰院への人出が増えることが十分に予想されたにもかかわらず前もって措置を取らず、事故発生から50分後にようやく現場に到着したとして、業務上過失致死傷、職務放棄の容疑で立件された。特別捜査本部は、現場への到着と警察上層部への報告が遅れた経緯や、ハロウィーンの人出への事前の備えなどについて李氏を追及している。
李氏は国会で、機動隊を配置するようソウル警察庁に事前に要請したが、事故当日はデモが多いため支援できないと断られたと証言していた。だが、特別捜査本部は押収物の分析や参考人聴取で、竜山署が機動隊を要請したという明確な根拠を確認できなかった。李氏の国会証言が虚偽と判明すれば偽証容疑が適用される可能性がある。
一方、特別捜査本部は同日、チェ・ソンボム竜山消防署長も容疑者として取り調べる。チェ氏は事故直前、警察からの共同対応要請にも出動せず、事故直後には適切な対応を取らず人的被害を大きくしたとして、業務上過失致死傷の疑いが持たれている。
tnak51@yna.co.kr