【ソウル聯合ニュース】韓国政府は昨年9月から、北朝鮮の社会的弱者への栄養・保健支援に取り組む国内民間団体を助成する事業を進めてきた。統一部当局者は1日、「この事業を通じて(北朝鮮への物資)搬出が承認された事例があり、そのうち一部は北朝鮮に搬出された」と記者団に明らかにした。
統一部のロゴ=(聯合ニュース)
同当局者は、今年5月に尹錫悦(ユン・ソクヨル)新政権が発足して以降、北朝鮮に搬出された物資があったかどうかについては「今は具体的な内容を話すのが難しい」と返答を避けた。
政府の北朝鮮向け栄養保健協力事業は、北朝鮮の社会的弱者の人道状況改善を目指す韓国民間団体の事業を対象に1事業当たり5億ウォン(約5240万円)まで、総額100億ウォンを支援する。2021年9月に民間団体からの申請の受け付けを始めたが、要件を満たす団体は多くなかった。南北関係の冷え込みが続いている上、北朝鮮が新型コロナウイルス対策として国境封鎖を続けている影響もある。そのため当初は今年6月までを予定していた事業の期限を12月10日まで延長した。これ以上の期限延長は計画していないという。
統一部によると、政府が今年民間団体に承認した北朝鮮への物資搬出は11件、計52億2000万ウォン相当となっている。この中に栄養保健協力事業として政府の支援を受けた事例も含まれているようだ。
北朝鮮への物資搬出承認を月別にみると、2月が3件(計20億ウォン相当)、3月が1件(5億ウォン相当)、4月が3件(計10億8000万ウォン相当)で、現政権発足後は8月が1件(4億4000万ウォン相当)、9月が1件(5億ウォン相当)、10月が2件(計7億ウォン相当)だった。
統一部当局者は「民間による対北支援物資の搬出は、今後も民間団体から申請があれば検討し、要件を満たす場合は搬出を承認する」と述べた。
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