【ソウル聯合ニュース】韓国国防部は2日、先ごろ固体燃料ロケットの打ち上げ実験に成功したことについて「わが軍の独自の宇宙戦力建設に向けた基盤を固める重要な里程標であり、7大宇宙強国に飛躍するための進展」と評価した。そのうえで、「軍は固体燃料エンジンに関する技術力とノウハウを基に、数年後に小型衛星や多数の超小型衛星を地球低軌道に乗せられるロケットを確保し、独自の宇宙基盤の監視・偵察能力を大きく発展させる」と表明した。また、軍が確保した技術を民間に移転し、民間を主軸とする宇宙産業の活性化に寄与するとした。
先月30日、ソウル市内で確認されたロケットが上昇する様子=(聯合ニュース)
韓国国防科学研究所(ADD)は先月30日、韓国の技術で開発した固体燃料ロケットの性能検証に向けた打ち上げ実験を西部・忠清南道の試験場付近の海上で実施し、成功させた。ロケットは高度450キロに到達した。
試射は昨年3月末に続いて2回目で、固体燃料エンジンの燃焼、衛星フェアリングの分離、ロケットの段の切り離し、上段部分の姿勢制御技術、ダミー衛星の分離などの検証が目的だった。国防部は今後、実際に衛星を搭載して試射を行う計画だ。
固体燃料エンジンは小型衛星や多数の超小型衛星を地球低軌道に乗せるためのロケットに使われる。液体燃料エンジンに比べて安価で単純な構造のため、大量生産がしやすい。また、固体燃料は液体燃料と違って事前に入れておくことができるため、迅速に発射できるという利点もある。
小型衛星や超小型衛星を多数打ち上げて衛星を集団で運用すれば、朝鮮半島の監視の空白を最小化できる。北朝鮮の移動式ミサイル発射台などの動きをリアルタイムで把握することで、ミサイル発射の兆候を探知して先制攻撃する「キルチェーン」のための探知・早期警戒能力を向上させられる。
一方、先月30日の試射の際には夕方ごろから全国各地で未確認飛行物体や閃光(せんこう)を目撃したとする通報が相次いだ。
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