【ソウル聯合ニュース】韓国の権寧世（クォン・ヨンセ）統一部長官は２４日の国会外交統一委員会で、北朝鮮を小型の船で脱出する「ボートピープル」が大量に発生する可能性に備えていると明らかにした。
国会外交統一委員会で答弁する権長官＝２４日、ソウル（聯合ニュース）
与党「国民の力」の鄭鎮碩（チョン・ジンソク）議員は、今月初めに北朝鮮住民が家族単位で漁船に乗って朝鮮半島西側の黄海上の軍事境界線にあたる北方限界線（ＮＬＬ）を越え、韓国に亡命したことに言及し、北朝鮮で「急変事態」が起きればかつてベトナムの共産化後に大量のボートピープルが発生したのと似た状況になりかねないとして政府の対策を促した。権氏はこれに、「そうした状況を含め、あらゆる可能性に備えている」と答えた。
今月初めの漁船での亡命については、北朝鮮の経済状況の悪化に加え統制の緩みも背景にあるとの分析を示した。
権氏は「北の経済事情、特に食料事情が例年に比べて悪化した部分は間違いなくある」としながらも、「今回の脱北にはそうした事情のほか、新型コロナウイルス対策の封鎖が緩んだことも作用した」と説明した。そのうえで、北朝鮮の新型コロナ統制の緩和により、これまで急減していた脱北者数が増えると見込んだ。
tnak51@yna.co.kr
キーワード
