【ソウル聯合ニュース】韓国の趙太庸(チョ・テヨン)国家安保室長は9日、国家安保戦略研究院など四つの政府系研究機関が共催した学術会議で演説し、対中関係について、「堂々とした外交を通じ、健全な韓中関係を構築していく」と述べた。
ソウル市内のホテルで開かれた学術会議で演説する韓国の趙太庸国家安保室長=9日、ソウル(聯合ニュース)
また、「尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は国益を中心に置き、原則と相互主義に基づいて国際社会と協力するグローバル中枢国家を目指す」として、「中国との関係も変わらない」と強調した。
韓中関係を巡る「堂々とした外交」「相互尊重」といった趙氏の発言は、8日にケイ海明・駐韓中国大使が最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表と面会した席で、尹政権の「米国重視」の外交政策をけん制する攻撃的な発言をしたことを踏まえたものとみられる。ケイ氏は「(韓中関係が悪化した)責任は中国にない」「米国の勝ち、中国の負けに賭けるのは誤った判断で、後で必ず後悔する」などの強硬な発言をした。
趙氏は演説後、ケイ氏の発言について記者団に「演説で中国の話をした。話した通り受け止めてほしい」と答えた。演説で「相互尊重」に言及した意図に関しては、「外交部がうまく処理すると思う」と述べ、外交ルートを通じて対応する可能性も示唆した。
一方、趙氏は演説で、韓米同盟を巡り、「価値同盟の礎の上に安保・産業・科学技術・文化・情報同盟という五つの柱を立て、過去70年間、地域の平和と繁栄の核心的な軸として機能してきた韓米同盟を『グローバル包括戦略同盟』としてさらに発展させていく」と言明した。また、厳しい安保・経済環境の中で日本との協力が必要だという戦略的判断で関係改善に乗り出したと説明し、「日本が呼応し、両国関係の改善がスピード感を持って進んでいる」と評価した。
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